流行に流されず、家族の時間に寄り添う一着を
めまぐるしく変化するファッションの世界で、あえて流行を追い求めないブランドがあります。フランス・パリで生まれた子ども服ブランド「LOIR(ロワール)」は、「家族の時間に寄り添う服」という確固たるコンセプトから誕生しました。その哲学は、一過性のトレンドではなく、永続的な価値を大切にすること。100%ヨーロッパで生産される信頼の品質と、姉から弟へ、兄から妹へと、性別や年齢を超えて自然に受け継がれるエイジレスなデザインが、その想いを形にしています。
LOIRが目指すのは、単なる子ども服の枠を超えた「未来のスタンダード」。それは、一枚の服が家族の思い出をつなぎ、地球環境にも配慮するサステナブルな選択肢となることです。この記事では、パリの洗練された美学と、温かい家族観が融合したLOIRの魅力について、その背景にある哲学から具体的な取り組みまで、詳しくご紹介します。
パリで生まれた、やさしい服づくりの哲学
LOIRが誕生した場所は、世界のファッションを牽引するフランス・パリ。ここは、常に新しいモードが生まれ、華やかなショーが繰り広げられるクリエイションの中心地です。そんな環境の中、LOIRはあえてスポットライトが当たりにくい「日常を美しくする子ども服」という道を選びました。なぜなら、ブランドの根底には「長く愛されるものこそ、いちばん美しい」という、フランス人が古くから大切にしてきた価値観が息づいているからです。
LOIRのデザインは、大人のファッションが持つ洗練されたエッセンスを取り入れつつも、子どもらしい無邪気さや躍動感を決して失いません。シンプルでありながら、どこか詩的でやわらかい。その独特の美学は、子どもたちの自由な動きを妨げず、どんな日常のシーンにも自然に溶け込みます。過度な装飾を排し、上質な素材と美しいシルエットを追求することで、着る人の個性を引き立てるのです。それはまるで、フランスの暮らしそのもの。特別な日だけでなく、何気ない毎日を丁寧に、そして美しく彩ることの豊かさを、LOIRの服は静かに語りかけます。この哲学こそが、一時の流行に左右されない普遍的な魅力を生み出し、多くの家族に愛される理由となっています。
100%ヨーロッパ生産 ― ゆるぎないクオリティへの信頼
LOIRの服づくりにおけるこだわりは、その生産背景に色濃く表れています。ブランドのすべての製品は、糸一本、ボタン一個から最終的な縫製に至るまで、その工程のすべてがヨーロッパ内で行われています。これは、単に「メイド・イン・ヨーロッパ」というラベルを付けるためではありません。そこには、品質、透明性、そして環境への責任に対するブランドの強い意志が込められています。
使用される生地は、肌に直接触れるものだからこそ、一切の妥協がありません。上質なオーガニックコットンや、使うほどに風合いが増すリネンなど、厳選された天然素材のみを使用。これらの素材は、子どもの繊細な肌をやさしく包み込むだけでなく、通気性や耐久性にも優れています。ヨーロッパの厳しい品質基準をクリアしたポルトガルの工房では、熟練の職人たちが一枚一枚、愛情を込めて丁寧に服を仕立てます。その手仕事には、機械生産では決して真似のできない温もりと、長年の経験に裏打ちされた誇り、そして美意識が宿っています。
LOIRにとって、この徹底したヨーロッパ生産は、ブランドの信頼性を証明する証であると同時に、「長く大切に着られる服は、結果的に地球にもやさしい服になる」というサステナブルな哲学そのものを体現する行為なのです。安価な大量生産品とは一線を画すそのクオリティは、手に取った瞬間に感じられる確かな品質として、親から子へと受け継がれていく価値の礎となっています。
受け継がれるデザイン ― 家族の中でつながる服
LOIRが提案するのは、年齢や性別の境界線を軽やかに飛び越える「エイジレスなデザイン」です。子ども服と聞くと、男の子用、女の子用と明確に分けられ、成長と共にすぐに着られなくなるというイメージが強いかもしれません。しかし、LOIRはその固定観念に新たな視点をもたらします。例えば、お姉ちゃんが大切に着ていたゆったりとしたワンピースが、次の年には弟のカジュアルなシャツになる。あるいは、兄が着ていたオーバーサイズのジャケットを、数年後に妹がスタイリッシュに着こなす。そんなふうに、一つの服が家族の中で役割を変えながら、自然に受け継がれていく光景を思い描いています。
この「受け継ぐデザイン」を実現するため、色や形は意図的にシンプルに、そしてニュートラルに作られています。流行に左右されないアースカラーや、どんなアイテムとも合わせやすいベーシックな色調を基本とし、シルエットは子どもの成長を許容する少しゆとりのあるデザインが中心です。この普遍的なアプローチにより、LOIRの服は季節やスタイルを問わず、様々なコーディネートで活躍します。
一枚の服に、兄弟姉妹それぞれの思い出が刻まれていく。それは、服が単なる消費物ではなく、家族の歴史を紡ぐ媒体となる瞬間です。LOIRのコレクションには、こうした「家族で着る楽しさ」という、目には見えない温かさがたっぷりと詰まっています。世代を超えて愛される一着は、物質的な価値だけでなく、かけがえのない感情的な価値をも育んでいくのです。
ファッションとサステナブルの美しい調和
環境への配慮は、もはやファッション業界にとって避けては通れないテーマです。LOIRはこの課題に真摯に向き合い、ブランド設立当初からサステナビリティを重要な柱としてきました。その具体的な取り組みの一つが、アップサイクル素材の積極的な活用です。現在、LOIRのコレクションのおよそ3分の1は、他のブランドや工場で発生した余剰生地や、生産過程で出た端切れを再利用して作られています。
これらの素材は、品質には何の問題もないにもかかわらず、通常であれば廃棄されてしまうものです。LOIRは、そうした「見過ごされた価値」に新たな命を吹き込み、美しい衣服へと生まれ変わらせています。このプロセスは、廃棄物を減らし、地球の資源を守ることに直結します。さらに、ブランドは「つくりすぎない」という生産哲学を徹底しています。需要を慎重に予測し、必要な分だけを生産することで、過剰在庫による無駄をなくす努力を続けています。
このような取り組みは、目に見えにくい部分にこそ手間とコストをかける、フランスならではの美学に基づいています。華やかさや目新しさだけでなく、その裏側にあるストーリーや誠実さを重んじる文化が、LOIRの持続可能なファッションのかたちを支えているのです。ファッションを楽しみながら、地球の未来にも貢献する。LOIRは、その二つが美しく調和できることを、その活動を通じて静かに証明しています。
まとめ:家族の記憶をつなぐ、未来への一着
LOIRの服は、ただ子どもの体を包むためのものではありません。それは、家族の記憶をつなぎ、親から子へ、そしてまたその次の世代へと大切な想いを届けるための器です。一枚のシンプルなシャツの中に、過ぎ去った時間、分かち合った想い、そしてサステナブルな未来への願いが幾重にも重なっています。
「本当に良い服を、長く、大切に着る」――。この考え方は、物質的な豊かさだけでなく、心の豊かさを大切にするフランスらしい生き方の象徴です。LOIRは、そのフィロソフィーを一枚一枚の服に込め、パリから世界へと発信し続けています。
子どもたちの健やかな成長に寄り添い、家族の物語の一部となる一着。yonkaは、そんなLOIRのやさしさと美学を、日本の皆さまにお届けします。
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