今を選ぶことが、未来を選ぶこと
服を選ぶという日常の行為は、実は未来を選ぶということに他なりません。フランス・パリで生まれた子ども服ブランド「LOIR(ロワール)」は、その想いをすべての製品に込めています。100%ヨーロッパでの生産にこだわり抜き、素材選び、デザイン、そして製造の全工程に「やさしさ」という哲学を貫く。そのやさしさは、子どもたちの繊細な肌のためであり、同時に、彼らがこれから生きていく地球の未来のためでもあります。
LOIRの服づくりは、今を生きる家族と、未来を生きる子どもたちを結ぶ、ささやかで、しかし確かな約束。この記事では、一枚の服に込められたブランドの深い想いと、ヨーロッパの伝統が育んだ丁寧なものづくりの背景を、詳しく紐解いていきます。
1. “美しいものを長く大切に”というフランスの心
フランス、特にパリの人々の暮らしには、「美しいものを、愛情を込めて手入れし、長く大切に使い続ける」という価値観が、ごく当たり前のものとして息づいています。それは、物質的な豊かさよりも、一つのものと深く向き合う時間の豊かさを知っているからです。LOIRは、そのフランスならではの精神を、めまぐるしく変化する子ども服の世界に真摯に受け継いでいます。
そのため、LOIRは一過性の流行を追い求めることをしません。デザインの基準は、5年後、10年後も古びることなく、むしろ愛着が増すような普遍的な美しさを持つこと。柔らかな天然素材と、熟練の職人による丁寧な縫製によって、「10年後も、この服にまつわる思い出がよみがえる」ような一着を目指しています。
子どもはあっという間に成長し、服はすぐに小さくなります。しかし、その服が本当に上質で、特別な思い出が詰まったものであったなら、物理的な役割を終えた後も、家族にとってかけがえのない宝物として残り続けます。子どもが大きくなってから、その服をふと手に取るだけで、あの頃の柔らかな笑顔や、抱きしめた時のぬくもりが鮮やかによみがえる。LOIRが願うのは、そのような「美しさの循環」です。一着の服が、家族の記憶の媒体となり、世代を超えて心の豊かさを紡いでいく。そのための品質とデザインなのです。
2. ひとつひとつの服に込められた「職人の想い」
LOIRの服が持つ独特の温かみは、その生産背景に秘密があります。ポルトガルにあるブランドのアトリエでは、効率を求める大量生産とは全く異なる、ゆったりとした時間が流れています。そこでは、職人たちが一枚の布と静かに、そして真剣に向き合っています。
彼らは、単なる作業員としてミシンを動かしているのではありません。その手元から生まれる一枚の服の先にいる、まだ見ぬ子どもや家族の姿を想像しながら、一針一針を進めていきます。「この服は、どんな子が着てくれるのだろう」「公園で元気に駆け回るのかな」「どんな家族の幸せな思い出の一部になるのだろう」。そんな温かい想像を巡らせながら、丁寧にボタンをつけ、糸の結び目を確認します。
この**「大量生産ではなく、ひとつの家族のために作る」**という姿勢こそが、LOIRが何よりも大切に守り続けているヨーロッパのクラフトマンシップ(職人魂)です。機械では決して再現できない、人の手から生まれるわずかな揺らぎや温もり。それは、服に「心」を宿らせるための、不可欠な工程です。だからこそ、LOIRの服を手に取ったとき、私たちは単なる工業製品ではない、作り手の確かな想いと体温を感じることができるのです。
3. 子どもたちの未来に、本当に残したいもの
LOIRが作っているのは、単なる「服」という物体だけではありません。それは、「やさしさを基準にものを選ぶ」という、これからの時代にとって非常に大切な価値観そのものです。
コレクションの一部にアップサイクル素材を積極的に採用し、生産過程で生まれる廃棄物を減らすこと。需要を慎重に見極め、過剰在庫を生まない「つくりすぎない」生産体制を貫くこと。そして、きょうだいや次の世代へと受け継いでいけるよう、丈夫で普遍的なデザインを追求すること。これらの一つひとつは、地球環境への負荷を減らすための具体的なアクションです。
しかし、LOIRの目的はそれだけではありません。これらの取り組みはすべて、子どもたちに「ものを大切にする心」を伝えるための、静かなメッセージでもあるのです。親がLOIRの服を選ぶ。その選択の背景には、デザインの美しさだけでなく、地球環境への配慮や、作り手への敬意が含まれています。子どもたちは、親がそうした基準で物を選んでいる姿を日々目にすることで、「今日の自分の選択が、未来を変えることにつながる」という感覚を、自然と学んでいきます。
ママやパパがLOIRの一着を手に取るその瞬間、その選択に込められた優しさは、言葉で教えるよりも深く、子どもたちの心に静かに受け継がれていくのです。
4. 「受け継がれる服」が描く、新しい豊かさの未来
お姉ちゃんが大切に着たワンピースを、今度は弟がシャツとして着る。そして、その服はまた、いとこや友人の子どもへと受け継がれていく――。LOIRの服は、家族やコミュニティの物語を未来へとつなぐ、一本の架け橋のような存在になることを夢見ています。
たとえサイズが合わなくなり、タンスの奥にしまわれる日が来たとしても、その服が家族の中に残してくれるものは、決して色褪せることがありません。それは、写真や映像とはまた違う、手触りや匂いを伴った**「形ではないぬくもり」**です。その服を見るたびに思い出される誕生日の光景、初めて歩いた日の感動、公園で泥だらけになった笑顔。記憶は、服という媒体を通して、より鮮やかに、より温かく再生されます。
フランス・パリから届く一枚の服が、遠く離れた日本の家庭で、新しい家族の歴史の一部となり、「未来の思い出」へと姿を変えていく。それこそが、LOIRの服づくりが目指す、本当の意味での豊かさなのです。それは、消費を繰り返すことでは決して得られない、時間と共に育っていく価値です。
まとめ:心を大切にする服づくりを、未来へ
LOIRは、目先の流行や、生産の効率性ではなく、**「心を大切にする服づくり」**という、遠回りに見える道を選びました。
なぜなら、その選択こそが、子どもたちの健やかな成長と、彼らが生きる未来の世界を思う気持ち、そのものであると信じているからです。服を着る子どもたち、それを選ぶ親たち、そして服を作る職人たち、さらには私たちが暮らす地球――そのすべてが、優しさの輪でつながっていくように。
今日もパリのアトリエでは、未来へと続く物語を秘めた小さな服が、愛情を込めて、ひとつ、またひとつと生まれています。
商品・オンラインストアご購入


