Lorna Murray】天然草繊維100％でつくる“軽くて涼しい”ハットの品質

2025年11月27日

夏の強い日差しが降り注ぐ中でも、驚くほど軽く、涼しく、快適な時間をつくりだすハット。手にした瞬間に感じるその軽やかさ、頭に乗せたときの心地よい通気性、そして天然の草繊維が生み出す独特の温もりと豊かな質感。

これらすべてを完璧なバランスで備えているのが、オーストラリア・シドニー発のサステナブルハットブランド、Lorna Murray（ローナ・マーレイ）です。

世界中のファッショニスタたちがこぞって愛用する理由の一つが、この「真夏でも蒸れずに快適にかぶれる」という、天然草繊維100％の卓越した品質にあります。

なぜLorna Murrayのハットはこれほどまでに軽く、なぜこれほど涼しいのでしょうか。そして、なぜこれほどまでに多くの人々から「夏の必需品」と呼ばれるのでしょうか。

本記事では、天然素材の魅力からインドネシアの職人技術、軽さを生む独自の編み構造、通気性の秘密、さらには子どもが嫌がらずにかぶる理由まで、その品質の根源を徹底的に掘り下げて解説します。

天然草繊維とは何か｜“自然そのものの心地よさ”が宿る素材

Lorna Murrayのハットの心地よさの原点は、その素材である「天然草繊維」にあります。これは単なる自然由来の素材というだけでなく、機能性と美しさを両立させるための、ブランドの哲学が凝縮された選択です。

化学繊維では再現できない通気性と軽さ

天然草繊維が持つ最大の特徴は、繊維そのものが空気を内包し、まるで呼吸しているかのような微細な構造にあります。ポリエステルやナイロンといった化学繊維は、その繊維が均一に整えられているため、通気性を確保するにはメッシュ加工などの人工的な工夫が必要となります。

しかし、自然の中で育まれた草繊維は、一本一本の繊維が不均一で、その間に無数の微細な空気層を保持しています。この構造が、熱を内部に溜め込まず、湿気を効率的に外へ逃がすという、天然のクーリング機能を発揮します。その結果として、以下のような「夏帽子としての理想形」が実現されるのです。

帽子の中が蒸れない： 汗をかいても湿気がこもらず、不快感を軽減します。
風を通す： 自然な風が繊維の間を通り抜け、涼しさを感じさせてくれます。
日差しが強い中でも快適： 頭部に熱がこもりにくいため、長時間の屋外活動でも快適さが持続します。

風と光を受けて美しく揺れる素材の表情

Lorna Murrayのハットが持つもう一つの魅力は、その素材感が生み出す立体的な動きと表情です。布製の帽子にはない、天然草繊維ならではの適度なハリとしなやかさが、風を受けたときにツバ全体を優雅に揺らします。その軽やかな動きは、見る人に涼しげでエレガントな印象を与えます。

また、強い日差しが当たると、緻密に編まれた繊維とプリーツが美しい陰影を生み出し、顔周りをドラマティックに演出します。写真に収めると、その光と影のコントラストが驚くほど美しく、何気ない一枚を特別なものに変えてくれます。海やプール、緑豊かな公園、都会の街並みなど、夏のあらゆる景色と見事に調和し、その場の雰囲気をより一層引き立てるのです。

天然素材だからこそ叶う“究極の軽さ”

Lorna Murrayのハットを初めて手にした人が、誰もが口を揃えて驚くのがその圧倒的な軽さです。「まるで何もかぶっていないかのよう」と表現されるほどの軽量さは、ブランドのアイデンティティの一つとなっています。

子どもがかぶっていることを忘れるほどの快適さ
大人が一日中かぶっていても肩こりや疲れを感じさせない
強い風が吹いても重さで形が崩れることなく、軽やかにいなす
旅行の荷物に入れても重さを感じさせず、パッキングのストレスを軽減する

この驚異的な軽さは、原料となる草繊維そのものが軽量であることに加え、後述する職人の手織り構造の工夫によって生み出されています。快適さを追求した結果たどり着いた、機能美の極致と言えるでしょう。

農薬不使用の草繊維へのこだわり

Lorna Murrayが使用する草繊維は、インドネシアの豊かな自然環境の中で、農薬を一切使わずに育てられています。この選択は、単に「オーガニック」という付加価値のためだけではありません。ブランドが追求する本質的な品質と、サステナビリティへの深い思想が反映されています。

自然の力だけで育つという価値

農薬や化学肥料に頼らず、太陽の光と雨という自然の恵みだけで育った草は、繊維が硬くなりすぎず、本来の柔らかさとしなやかさを保ちます。この特性こそが、Lorna Murrayの象徴である美しいプリーツ構造を実現するために不可欠なのです。折りたたんだり広げたりを繰り返しても、繊維が持つ弾力性によって、美しい形が損なわれにくいのです。

自然そのものの風合いを大切にし、土壌や水を汚染しない生産方法を選ぶこと。それは、帽子を手に取る人々の健康だけでなく、未来の地球環境にも配慮するという、ブランドの揺るぎない姿勢の表れです。

肌への刺激が少なく、子どもも安心して使える優しさ

化学薬品を使わずに育てられた草繊維は、肌がデリケートな子どもにとっても非常に優しい素材です。帽子の内側、特に額に当たる部分も柔らかく仕上げられており、長時間かぶっていてもチクチクとした不快感がほとんどありません。

多くの子どもが帽子を嫌がる主な理由は、「重い」「蒸れる」「肌触りが悪い」という3つの不快感にあります。Lorna Murrayのハットは、天然草繊維が持つ軽さ、通気性、そして柔らかな肌触りによって、これらの問題をすべて解消します。子どもがストレスなくかぶり続けられることは、親にとって何より嬉しいポイントです。

インドネシアの伝統織りによるハンドメイド生産

Lorna Murrayの帽子は、決して機械によるオートメーションでは作られません。その一つひとつが、インドネシアの熟練した職人たちの手によって、気の遠くなるような時間をかけて生み出される「作品」です。

ひとつのハットが生まれるまでの丁寧な工程

一つの帽子が完成するまでには、非常に繊細で根気のいる手仕事の積み重ねがあります。

繊維の準備： 収穫し乾燥させた草繊維を、均一な幅になるよう手で丁寧に細く裂いていきます。
染色： デザインに応じて、環境に配慮した染料で繊維を染め上げます。
織り込み： 染色された繊維を設計図通りに一本一本丁寧に並べ、一定のリズムと張力で織り込んでいきます。
プリーツ形成： 織り進めながら、ブランドのアイコンであるプリーツを均等に整え、美しいシルエットを形作ります。
縫製： 最後に縁の部分やストラップなどを縫製し、全体の形をしっかりと固定して完成です。

これらのどの工程も、力任せの作業ではなく、まるで生き物と対話するように「繊維の表情を読み取る」繊細な感覚が求められます。自然素材を扱うため、その日の天候や湿度によって繊維の状態が微妙に変化することもあり、職人の経験に基づいた微調整が欠かせません。大量生産のスピードや効率とは対極にある、時間と技術、そして愛情が込められた仕事なのです。

伝統技術を未来につなぐという社会的意義

Lorna Murrayがインドネシアの職人たちと共にものづくりを行う理由は、単にその高い技術力を求めているからだけではありません。そこには、ブランドのサステナブルな理念が深く根差しています。

伝統文化の保護： 現地で失われつつある伝統的な編み込み文化を守り、その価値を世界に発信する。
公正な労働環境の提供： 職人が誇りを持ち、安定して働ける環境を整える。
持続可能な雇用の創出： 公平な賃金を支払い、技術を次世代へと継承させる仕組みを作る。

これらの理念は、「サステナブル」という言葉が持つイメージよりも、はるかに人間的で温かいものです。私たちがLorna Murrayのハットを手にしたときに感じる独特の「温度感」や「ぬくもり」は、こうした作り手の想いやストーリーが宿っているからに他なりません。

軽さの秘密は“編み方そのもの”にある

驚くほどの軽さを実現している秘密は、素材だけでなく、それを生かす独自の「編み方」にも隠されています。職人の高度な技術が、軽さと丈夫さという、相反する要素を両立させているのです。

一本一本に均等なテンションをかける神業

草繊維は、編む際の力が強すぎると硬く、もろくなり、弱すぎると形が崩れやすくなります。美しくしなやかなプリーツを生み出すためには、編み始めから終わりまで、数えきれないほどの繊維一本一本に、常に均等なテンション（張力）をかけ続ける必要があります。これは機械では極めて難しい作業であり、長年の経験で培われた人間の手の感覚だけがそれを可能にします。

この丁寧で緻密な編み構造こそが、空気を含むような軽さと、日常使いに耐えうる丈夫さ、そして折りたたんでも美しく元に戻る復元力を生み出しているのです。